STORIES #3

背伸びしすぎない。妥協しない。
そのバランスが、ちょうどいい居心地に。

M さま邸 / 江南市

細部のディテールへの
こだわりが、
住み心地を決める。

おしゃれで機能的で実用性が高い家。そんな、あれもこれもを実現することは、わがままでしょうか。無理なことでしょうか。友紀建築工房の答えはNOです。まさにそんな家を要望されたMさま邸のご主人のこだわりは、どのように実現したのでしょうか。リビングを中心にして、庭まで含めて空間の「つながり」を重視したい。そんなご主人のご要望に提案されたプランは、驚きが随所にちりばめられた家でした。リビングのワークスペースに使われた素材と黒に塗装するというアイデアの意外性。空間を仕切らず、素材によってゆるやかにスペースに変化をつける手法。そんな細かいディテールへのこだわりにご主人は、ご自身との共通点を見出したようです。

静かな昼下がりに揺らぐ
カーテンも、
空間のアクセント。

奥様が妊娠中に建築の計画が進行していたため、ショールームや見学会に足を運び、打ち合わせを重ねたのは、ご主人でした。それだけに、こだわりも次々に。たとえばカーテン。「窓が3面ありますので、カーテンを開けたときに布地が塊でもたついているのはいやだなと思って」。イメージした理想は、レースカーテンの揺らぐ窓辺。センターの窓のみロールスクリーンにしてすっきりさせ、両サイドはレースカーテンのみ。窓を開けた時、そしてエアコンによる空気の流れにもレースカーテンが美しく揺らぐことで、窓辺に空間の静と動が生まれました。

シンプルな中に宿る、
個性のきらめき。

誰かが語らなければ、きっと、ずっと誰もそのこだわりに気づかない。そんな何気なさによって「背伸びしすぎない自分たちらしい家が実現しました」と語るご夫婦。「わたしは、リビングのドアのガラスだけは、絶対にこれ!と、わがまま言いました」とおっしゃる奥様。まるで工芸品のような、アンティーク感もあるガラス。「すりガラスでは仕切感が出すぎますし、かといって透明ガラスではリビングが見えすぎます。その加減と、光がふわっと映るようすが美しくて」とおっしゃいます。ご主人のお気に入りの場所のひとつはクローゼット。「Tシャツは、たたまずにハンガーで収納したかったので、ウォークインクローゼットを広めに、そしてTシャツ用のスペースを2段分設けてもらいました」。お子様がもうすぐ7か月。家族でのお出かけが日に日に楽しくなる時期だけれど「家にいる時がいちばん楽しい」とおっしゃるほどに、ちょうどいい居心地を手に入れたようです。

FEEL