STORIES #7

我が家らしさといういのちを吹き込むもの、
窓辺にひとつ。

M さま邸 / 知立市

WORKS‐with

中庭がそこにあることで、
光がお部屋に表情をつくってくれる。

「家づくりはインテリアにばかり興味が向くわたしと、窓の位置や採光をじっくり考える主人。二人の思いをカタチにしていただいたのが、この家です」。住宅街の中にあって、裏手には月極駐車場。ですからご主人は、周りからの視線を遮り、光を取り入れた家をご希望になりました。奥様が唯一、設計時に希望された中庭は家の中心に。玄関ドアを開けたとき最初に目に入ってくるのも、中庭です。「ここでは、夏は子供たちがプールで遊んだり、家族でバーベキューをしたりするんですが、そんな時も周りから見えないから安心できるんです」奥様にとっては、大好きな植物を育てる大切なスペースでもあるとか。「主人は、家の中を物で飾ることが好きじゃないタイプで、シンプルが一番落ち着くようなんです。わたしは室内に大きな観葉植物を置きたかったので、中庭は二人とも納得できるインテリアを叶えてくれた場所でもあります。

高い天井と、
色数を抑えたシンプルなインテリア。

「リビングダイニングの収納上の窓は、主人の意見で取り入れてもらったものです。住宅ではありませんが設計の仕事をしているので、窓の大きさや位置はかなり考えてくれたようです。天井も高く、内装は色を抑えてシンプルにしていただいたので、とても居心地のいい空間になっていると思います」。そして奥様がお気に入りの場所は、もうひとつ。リビングからバスルームに向かう渡り廊下です。足元にも小窓があって、外と中庭の緑がちょっと見える気持ちよさがあります。
「リビングから渡り廊下の部分が、少し変形の土地なんですね。でもデッドスペースではなく、うまく家のアクセントにしていただいたと思っています」。

好きなものを、ひとつずつ。

時に絵を描いたり、どこにでもある植木鉢を世界でひとつのものにリメイクしたり。そんなことが大好きな奥様。そして、海外で悩んで悩んで買い求めたオブジェ、窯に出かけてはお気に入りを一つひとつ買い集めている器の数々。「でも主人は、あまり部屋を飾らないほうが好きなので、本当に気に入っているものを少しだけ飾るんです」。ご主人が現在海外赴任中。なかなかご自宅に帰ってくることができません。「主人がいない間に、先日はソファを買っちゃいました。でもTV電話してたらちょっと映っちゃって。あ、ソファ買ったねって。いない間に、わたしの好きな空間に少しずつしているんです」。そのソファも、男の子二人にとっては、すでにお気に入りの場所。思い思いに本を読んだり、ゲームをしたり。家族が集まる空間は、家族それぞれがお気に入りの空間でもあります。2019年にお家を建ててすぐに海外赴任となったご主人は最後にこう言いました。「新築から1ヶ月ほどしかここに住んでいないので、まだまだ新鮮なんです。先日久しぶりに帰ってきた時には、家が見えた瞬間『やっぱり、家かっこいい』って改めて感じました」。

FEEL