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「ファッションのようにインテリアを楽しむ」という考えを体現したような、軽やかで感性豊かな邸宅です。

ベースとなる空間の魅力を引き出しつつ、暮らしが始まってからさらに“施主様らしさ”が加わっていく

――そんな可能性を感じさせる設えとなっています。

白く塗って拭き取った無垢の床は、木の表情をうっすらと残しつつ、柔らかい光を受けて空間全体に透明感を与えています。

ナチュラルな木の色はあまり加えず、「お好きな色をお好きなように選ぶ」という、施主様ご自身のスタイルに寄り添った空間となりました。

キッチンやカップボード、収納などの造作家具には、白の塗装を施し、床のトーンと調和するような優しい色調で統一。

対面にはくすみのあるピンクの扉が配されており、ファッショナブルな施主様にとてもお似合いのカラーをお選びになられたと思いました。

美容師である奥様の、色や素材への感性がしっかりと表れたディテールです。

ただカラーを使う、ということではなく、「暮らしの中での景色」をお打ち合わせで何度も検討し、場所ごとの“見え方”を丁寧にデザインしていきました。

階段を上がってきたときの目線、キッチンからの景色。それぞれの視線が心地よく感じられるように、空間全体を意識してお打ち合わせを進めさせていただきました。階段を上がってまずバルコニーの壁面部分へ視線が向くようにチェアや観葉植物を配しました。

キッチン・ダイニングに立った時に、バルコニーの景色がどう見えると心地よいのか、というのを常に考えながらお打ち合わせさせていただきました。

階段上がって右手に見える塗り壁には、椅子やアートピースをレイアウト。

浴室の窓の向こうには、植栽や小物を置くことで立体的な空気の流れを奥行きを感じさせます。

そして、玄関から目線に入る洗面スペース。

石を削り出した洗面ボウルを配しました。

単なる機能ではなく、訪れた方の印象に残るようなアートのような空間になりました。

施主様の「潜在的な感性」を一緒に探りながら完成したお住まいです。

「ご自分の暮らしにとって本当に心地よく、似合う色やかたちとは何か?」

その問いに寄り添いながら、あらゆる視点や目線を丁寧に拾い上げることで、心から“好き”と思える空間が出来上がったように思います。

白いベースにカラフルな個性がすこしずつ重なってい
くーー

そんなこれからの変化もまた、楽しみな邸宅です。

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