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古き良き空気を残しながら
現代の感性と暮らしやすさを丁寧に織り込んだ、一棟まるごとのフルリノベーション住宅です。

桜並木が美しい、穏やかな住宅地に佇む一邸。

もともとの建物の構造を活かしながら、住まうご夫婦の価値観と好みを余すことなく反映させた、今回の住まい。

築年数が経っていたからこそ生まれた、どこか懐かしく、それでいて凛とした空気感をまとう空間となりました。

素材と造作に宿る「らしさ」

キッチン、ダイニング、そして居室のいたるところに、造作の美しさが光ります。

存在感を放つ造作キッチンは、構造上抜けない柱をそのままに、タイルや木材の質感、色味が絶妙に構成されています。

柱部分は突板仕上げにし、空間に溶け込むように。

特にこのキッチンは、図面通りには納まらない現場との対話の中で、何度も調整を重ねて完成しました。

美しく納めるためにタイルの割り付けも緻密に設計。

表には見えない部分に、丁寧な仕事と強いこだわりが宿っています。

タイルと木の調和がつくる、やわらかな印象

「タイルが使いたい」というのがお客様のご希望のひとつのポイントでした。

キッチン背面や洗面、玄関などに、風合いのあるタイルを採用。

洗面は、キッチンとは別の可愛らしいタイルを採用され、心地よいリズムをつくり出しています。

2階は、静けさを纏うプライベート空間

2階には、寝室・クローゼット・子供室を配置。

イギリス製の壁紙を使用したクローゼットの壁面は、大胆ですが品のある雰囲気を醸し出します。

暮らしの中に、仕事の気配をうまく取り込む

将来的には、ダイニングの先にある空間が、仕事スペースとして使用される予定もあるため、家族の空間とは程よく距離をとる間取りに。

緩やかに仕切られたシーンは、暮らしと仕事の境界を丁寧に保ちます。

この住まいは、既存住宅を購入してのフルリノベーション。

内部はほぼすべて解体・再構築しており、見た目だけでなく、構造や使い勝手も大きく刷新されています。

「残す」という選択の難しさと面白さ

リノベーションの醍醐味の一つは、「残す・活かす」という選択肢。

実際の階段や柱などサイズやバランス、他の仕上げとの調和から、最終的には新しいものへ。

そんな、リノベーションならではの難しさと奥深さを、あらためて感じさせられました。

心地よさの探求

この家の魅力は、決して派手さではありません。

無理に何かを足さず、引きすぎず、住まう人の「好き」にまっすぐに応えた、等身大の住まい。

ほんの少しのレトロ感。

木とタイルのやさしいコントラスト。

大切に張られた壁紙や、造作の丁寧な納まり。

どれもが、普通であることの豊かさを教えてくれます。

新築とは異なる価値のある「フルリノベーション」

この住まいは、既存住宅を購入してのフルリノベーション。

内部はほぼすべて解体・再構築しており、見た目だけでなく、構造や使い勝手も大きく刷新されています。

こちらの施主様は、以前弊社でご自宅でフルリノベーションされたご家族のご紹介でご依頼いただきました。

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